はじめに

インヴェンティットでは「mobiSense 環境モニタリングキット」というサービスを提供していますが、さらに、様々な環境情報を可視化できるようにするため、今回はアレルギーや喘息など、体調を崩す原因ともなり得る PM2.5(粒子状物質)を計測できるセンサーを評価してみようと思います。

PM2.5って何だっけ?

そもそも、粒子状物質(Particulate Matter)って何でしょう?環境省の環境基準によると、「(SPM)とは大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が 10μm以下のものをいう。」と定義され、「1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。」と基準が定められています。

浮遊粒子状物質の中でも、粒径が2.5μm以下の微小粒子はPM2.5と呼ばれ、二ユースや気象予報等でも耳にすることが多いと思います。国立環境研究所のコラムには以下のように記述されいます。

PM2.5はSPMの中でも粒径2.5μm(0.0025mm)以下の微小粒子のことです。一般に粒径10μm以上の粒子は,大部分は鼻の粘膜に吸着され,呼吸により肺まで達することはありません。しかし,それより小さい浮遊粒子状物質は気管に入りやすく,とりわけ粒径2.5μm以下の微小粒子は肺の深部に侵入,沈着しやすく,また発がん性などを有する有害成分が多いといわれています。

https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/05/06.html

また、ダスキンのサイトには、ハウスダストの大きさが分かりやすく図解で説明されているので、身近にどんな浮遊粒子状物質が存在するのかイメージできると思います。

https://www.duskin.jp/item/mop/housedust/

センサーの選定

ダストセンサーで検索すると、様々なセンサーが見つかりますが、今回は PM1.0 から PM10 までを計測可能な SENSIRION 製の SPS30 を評価します。

  • 製品ページ:https://www.sensirion.com/jp/environmental-sensors/particulate-matter-sensors-pm25/

精度だけでなく、メンテナンスフリーで24時間の連続稼働で8年以上の耐用期間というところも魅力です。大きさはこんな感じです。

MOUSER 等で1個から購入可能です。お買い求めの際は、是非、Macnica-Mouser で。

つないでみよう!

早速、CANDY RED を使って、SPS30とRaspberry Piをつないでみましょう。SPS30はI2CとUARTのインタフェースを持っており、今回はUARTのインタフェースを使用します。

付属のUSBケーブルを使って、SPS30とRaspberry Piを接続します。lsusb で確認すると、USB ‐シリアル変換チップが認識されていることが分かります。

/dev/ttyUSB0 として認識されているので、CANDY RED から serial ノードを使ってコマンドのやり取りを行います。

CANDY RED は Node-RED ベースの開発環境で、センサからのデータ取得やクラウドへのアップロードをドラッグ&ドロップで開発できる、ローコード開発環境です。

SPS30を制御するために、データをシートをダウンロードします。

5章にUARTのインタフェースの仕様が記載されています。非常に分かりやすいデータシートだと思います。このデータシートに従って、コマンドの送信と、レスポンスの解析を行います。

まずは、取得したデータをローカルで可視化してみましょう。CANDY RED では、ノンプログラミングでダッシュボートを作ることも可能です。

1秒間隔でデータを取得した結果です。値は上下しながら大きなトレンドを作るようです。一定期間で平均を取った方がトレンド見るにはいいかもしれません。

クラウドに上げてみよう!

今度は、遠隔での監視や長期的な傾向の分析が行えるように、データを CANDY Pi Lite を使って、クラウドにアップロードしてみましょう。CANDY Pi Lite は Raspberry Pi と ASUS Tinker Board に対応した 3G/4G LTE 通信ボードです。mobiSense 環境モニタリングキットでも使用しています

今回はクラウドベースの可視化ツールとして c+ Studio を使用します。c+ Studio ノンプログラミングでスタイリッシュなダッシュボートが作れる SaaS ベースのツールで、こちらもmobiSense 環境モニタリングキットで使用しています。

長期的な傾向を可視化してみると、あるタイミングで数値が上昇していることが分かります。実は、このタイミングで窓を開けて換気をしたのですが、これが影響しているようです。

日本気象協会や各自治体が PM2.5 の計測を行っていて、その結果をWebでも公開しています。お住まいの地域のデータも、検索すれば簡単に見つかると思います。

PM2.5分布予測
https://tenki.jp/pm25/ より引用

住まいの近くの、その時間帯の PM2.5 を調べて見ると、その時間帯は非常に高かったことが分かります。センサの値は正確なようです。

まとめ

SENSIRION製の SPS30と、CANDY Pi Lite、c+ Studio を使って、PM2.5の値を、クラウドベースで簡単に可視化できることができました。製品化に向けて引き続き評価を継続していきます。