CANDY Pi Liteのソフトウェアはモバイルネットワークへの接続が途切れてしまった場合でも、いくつかの方法を用いて接続し直すようにしています。しかし実際のところ、連続して動かした場合、どの程度のオンライン状態が維持されているのでしょうか?

また、他にもこのソフトウェアにはRaspberryPi上でなるべく不要な通信を行わないような設定がされています。しかしこれもまた実際のところ、本当はどの程度の通信が発生するのでしょうか?

今回、そのような疑問に答えるため、実際にCANDY Pi Lite (3G) をRaspberry Pi3とSORACOM Air SIMカードの組み合わせで連続稼働した結果をレポートします。導入前の検討の材料としてお役立てください。

検証内容

今回は、先日リリースしたv1.1.0のCANDY Pi Lite専用OSイメージ(日本語版)を利用し、48時間連続稼働した場合にどれだけオンライン状態を維持するのか(オンライン状態比率)、また、通信をしないサンプルアプリケーションを用意し、実際にアプリケーションが通信しない場合でも、どれだけ通信量があるのか、についてSORACOM Air SIMを用いて検証します。なお、使用する製品はCANDY Pi Lite (3G)ですので、使用する回線も3Gのみとなります。

試験条件

稼働時間条件は、今回は48時間とします。

室温10度〜18度程度の室内で、ケースなしの状態で動作させます。電源は、CANDY Pi LiteのDCジャックとします。

サンプルアプリケーションは、CANDY REDをセットアップした時にインストールされるフローを使用します(下記の図のフロー)。このフローは空きメモリーのグラフを表示するだけで外部との通信は行いません。

また、このサンプルアプリケーション以外にソフトウェアを追加・削除・変更することはしません。サンプルアプリケーションも含め、全てOSイメージファイルを書き込んだ状態のままとします。

試験方法

マイクロSDカードには、v1.1.0のCANDY Pi Lite専用OSイメージをあらかじめ書き込んでおきます。

続いて、RaspberryPi3とCANDY Pi Liteを接続してアンテナの取り付けも行います。今回はCANDY Pi LiteのDCジャックから電源供給しますので、ACアダプターを使用します。ACアダプターはCANDY Pi Liteに同梱されていませんので、今回は秋月電子にある5V3AのACアダプターを用意しました。

書き込みをしたマイクロSDカードはRaspberryPi3に差し込んでおきます。SORACOM Air SIMカードもCANDY Pi Liteに差し込みます。なお、今回使用するAir SIMカードは日本国内向け3G/LTEのSIMカードです。

電源を入れてCANDY Pi LiteのLEDが点滅して接続が確認できてから稼働時間の計測を開始します。このため、あらかじめSORACOMのSIMを「利用中」にしておき、電源を入れてから自動的に接続をすぐに開始できるようにします。下のスクリーンショットのピンクで囲んだ箇所が今回使用するSIMの設定です。速度のテストは行わないのでもっとも遅い速度クラス「s1.minimum」を選んでいます。

なお、CANDY Pi LiteがSORACOMのネットワークに接続すると、ユーザーコンソール上では、以下のようにオンラインと表示されます。計測を開始後、ユーザーコンソールでオンラインであることも確認するようにします。

SORACOMユーザーコンソールからは、SIMごとの通信量を確認することができます。このため、稼働試験中及び試験完了後のデータ量もユーザーコンソールから確認します。

試験期間が過ぎたら、SORACOMユーザーコンソールから当該回線を「休止」にして状態をオフラインにします。

利用可能状態にする「使用開始」とオフラインにする「休止」の操作については操作ごとの料金はかかりません。一方で「利用中断」には所定の料金がかかりますので間違えないようにしましょう。

結果

試験期間は、11月29日午後7時18分〜12月1日午後7時19分でした。期間中の通信セッションの統計を見て見ましょう。

このようなセッション詳細を見ることができます。これらはコピー&ペーストによって、Google SpreadsheetやExcelに貼り付けることができます。「Createdイベント」によって通信が始まりオンラインとなり、「Deletedイベント」によってオフラインとなります。これらの情報を加工して集計した結果を以下に記載します。

期間中のセッションの統計は以下の通りです。

  • オンラインセッション数 46
  • 時刻調整セッション数 30

オンラインのセッションとは、時刻調整用の短時間の接続ではない通常の通信セッションを指します。3Gモデルの場合、時刻調整のために短時間の接続を行うため、数秒程度(今回は3秒から5秒)の通信が発生します。

また、期間中のオンライン時間、オフライン時間、時刻調整時間は以下の通りです。

  • 全期間(時:分:秒) 48:01:04
  • オンライン時間(時:分:秒) 45:28:30
  • 時刻調整時間(時:分:秒) 0:01:58
  • オフライン時間(時:分:秒) 2:32:34
  • オンライン状態比率 94.70%

続いて、データ量ですが、期間中のデータ量は、0です。つまり通信は発生していません。

このようにSORACOMユーザーコンソールから通信データの使用量をグラフで見ることができますが、ご覧のように該当区間のグラフは出てきていません。これだけでは、描画がされていないほど少ないのか、本当に0なのかがわかりません。このため、APIでも記録を見てみましょう。

SORACOM API Referenceサイトに行くと、APIの一覧とともに実際にSORACOMアカウトでログインしてAPIを実行することも可能です。今回は、実際にログインして、使用量を返してくれるAPIを実行してみます。

ログインの様子は今回省略していますが、SORACOM API Referenceサイトの最初に記載されているログイン方法を使用して、あらかじめログインしてから以下の手順を実施しています。

Statsの分類のところに「getAirStats」と呼ばれるAPIがあります。これを実行すると、データ使用量を見ることができます。上記のピンクの枠内の文字にリンクがありますからクリックしてみましょう。

すると、そのAPIの列が展開されて詳細な情報が見えるようになります。その中で、上記のようなパラメーターを入力できるエリアがありますので必要な情報を入れてみます。

IMSIは、SIMの詳細などで確認できますのでその番号を入れましょう。from/toには、今回の期間の時刻をUNIX時間(秒)で入れます。また、今回は分単位の細かい情報は不要であるため、集計単位は日単位としています。

これを実行するには、左下「Try it out!」を押します。すると以下のように応答が見えるようになります。

Response Codeは200となっていますのでエラーではないようですが、Response Bodyはなんと空のJSON配列([])です。つまり、やはりグラフの内容と同様にカウントされたデータ量はないようです。

まとめ

今回はCANDY Pi Lite 3Gモデルで48時間の連続稼働を検証しました。その結果、今回の試験条件では94.70%のオンライン稼働比率があることがわかりました。また、CANDY REDで通信を行わないアプリケーションを動かした場合は、通信量が発生しないことも確認できました。これはつまりCANDY RED以外で通信を行うシステムサービスがないことを示しています。もし通信がある場合は、CANDY REDあるいはその他に追加したユーザーによるアプリケーションに起因するものに限られるということです。

電波状態や設置場所の環境によって今回集計した統計情報は変化しますが、1つの参考になればと思います。

今回利用した製品

本記事に登場した製品は、「CANDY Pi Lite 3GまたはLTE SORACOM Air SIMカードセット」として、下記サイトからご購入いただけます😃